高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

断水

今日、断水があった。

 

別に事故や事件ではなく、たんなる浄化槽の清掃のためだ。

 

しかし、そのお知らせがあったのは半月以上も前。

 

覚えているはずがない。

 

いちおう、忘れないようにお知らせのチラシは取っておいたのだが、半月も経てばそんなもの、インテリアの仲間入りだ。気にしているはずもない。

 

そんなわけで、すっかり忘れていた。

 

午前9時。

 

私はひとり、出かける前に歯を磨いていた。

 

いざ、磨き終わって水を出そうとしたら…

 

水が出ない…

 

さっき言ったように、断水なんてまったく覚えてない。

 

一瞬、壊れたかと思って焦る。

 

数秒後、あぁそういえば断水が、なんてことを思い出す。

 

とはいえそれで水が出るはずもない。

 

え? どうしよう…

 

幸い、事前にコップに水は入れておいたからうがいまではなんとかなった。

 

しかし、歯ブラシが…

 

コップに残った水でとりあえずゆすぐ。

 

しかし、足りない。

 

「冷蔵庫に、なにかないかなぁ…」

 

こんなとき、我が家に缶ビールしかない、とかだったらタイヘンなことになるが、いちおうお茶ぐらいはあった。

 

仕方がないからお茶で洗う。

 

うん、歯ブラシはお茶の色に染まった。

 

 

とはいえ、もうどうしようもないよね。

開き直ってそのまま出かけた。

 

 

 

数時間後、帰宅した私は朝の出来事など覚えているはずもなく、洗面所でうがいを。

 

で、異様な色をした歯ブラシを見てギョッとしたのだった。

 

いやはや、人間の記憶なんてこんなもんよね。

 

 

はい、楽しい1日でした。

 

それでは皆さま、お疲れさまでした!