高北謙一郎の「物語の種」

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ドライブ

日頃、まとまった時間のドライブをしていない。乗っても15分がいいところ。30分以上ともなると年間でも1度か2度あるかないか…それ以上だとほぼデータがなく、おそらくショートする。何がショートするのかは分からないが、何かがショートする。ウォーズマンと同じだ…なんて、ずいぶんと古いネタを持ち出してしまったが、分かるヒトにしか分からない話なので無視していただいていい。

 

それはともかくとして、そんな私が昨日、30分のドライブをした。珍しいことである。

 

とはいえ、別に何か用事があったわけではなく、ただフラフラとその辺を徘徊しただけだ。ふだんは時間が短すぎて音楽も聴けないから、たまには音楽を外に連れ出そうかな、と…。

 

 

Fred Hersch Plays Jobim

Fred Hersch Plays Jobim

 

 

 

はい、まったくもってドライブには似合わない1枚。フレッド・ハーシュのソロピアノによるジョビン集。

 

ジョビン集…って、いきなり言われても馴染みのないかたにはまるで分からないだろうが、アントニオ・カルロス・ジョビンといえば、ボサノヴァの最初期に活躍した作曲家でありミュージシャン。というか、現在に繋がるボサノヴァの流れを作った張本人みたいなヒト。ボサノヴァが好きなヒトたちにとってはアントニオといえばジョビンであって、決して猪木さんではない。といえば、「ジョビンすげーっ」てことが分かっていただけると思う。たぶん。

 

そういやむかし、「アントニオの歌」なんてタイトルでマイケル・フランクスがジョビンに捧げた曲を書いていたが、どうしても猪木さんのイメージが強すぎて好きになれなかったなぁ…って、ハナシがだいぶ逸れてきたので止めておく。

 

スリーピング・ジプシー <SHM-CD>

スリーピング・ジプシー

 
アバンダンド・ガーデン

アバンダンド・ガーデン

 

 

なんのハナシだったか。

 

そう、ドライブをして、音楽を聴いたというハナシだ。

 

アントニオ・カルロス・ジョビンの曲を並べたフレッド・ハーシュの隠れた名作。

 

ジョビンの説明ばかりでフレッド・ハーシュのことを何も書いていないが、ひたすら地味なピアニストである。しかし、名手である。いわゆるミュージシャンズミュージシャン的な存在。玄人好みするタイプでもある。トリオやカルテットでよりも、ソロの方がいい。そんな感じのヒト。説明になっているのかどうか…。

 

ソロ [日本語帯/解説付] [輸入CD]

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Solo

Solo

 

 

ともかく、そんな彼のアルバムを持ち出してのドライブとなった。ボサノヴァのソロピアノのアルバムを大音量で聴く。地味だけど、とんでもなくうつくしい和音の連発。近年の、カフェミュージックっぽいボサノヴァとは違う。やっぱスゲー!

 

 

ふだんアパートに暮らしていると、大音量で音楽を聴くことがムズカシイ。「鳴らしきってない」感じは少々キモチが悪い。

 

かといって、本格的なオーディオルームにアルバムを持ち込んだり、巨大なスピーカーのあるバーでお気に入りの音楽をリクエストする、というのとも違う。もちろんそれはそれで楽しいのだが、やはりドライブという開放感とともに聴く音楽はまた別の良さがある。

 

 

と、そんなわけで昨日はドライブをした。もちろん、私がショートしてしまう30分ギリギリという時間内だ。なんの目的もなくフラフラと音楽を聴きながらの運転は、運転ギライの私にとっても楽しいものであった。