MCは超絶的に下手だけど、ピアノは抜群
思えばしばらくアルバムのご紹介をしていない。と、何気なく思い至ったので、今日は久しぶりのデュオアルバムのコーナー。
今回は西山瞳さんのピアノと安ヵ川大樹さんのベース。
日頃スタンダードなジャズナンバーを聴くことの方が多い私は、ジャズミュージシャンのオリジナルというモノが苦手だ。
とくに、ジャズの王道をわざとハズシたオリジナルほど、あっという間に寝てしまう。
志の高さは買うが、どうにも聴く者を置き去りにしているというか、まぁ私が聴かなければいいだけなので別に好きにしてもらってかまわないが、でも、やはりせっかくオリジナルで勝負しようというのなら、誰の心にも響くスタンダードを越えるスタンダードな作品に挑んでもらいたい。
そんなワガママな私の嗜好を満たしてくれるのが、西山嬢だ。決して往年のスタンダードの雰囲気を持っているわけではないが、彼女の曲はいい。コテコテのジャズには寄りすぎないし、ヘンに北欧路線に走りすぎることもない。スマートでしなやか、そして何より美しい。
ベースの安ヵ川さんもスバラシイ。太くて心地いい響き。数回ライブハウスでお会いしたこともあるが、とてもお優しそうな印象。
一方、西山嬢とは以前、六本木のソフトウインドというお店でのソロライブでお会いしたことがある。ピアノの斜め後ろという最高の場所で楽しませていただいた。
が、彼女のMCはヒドイ(失礼)。何も考えずにしゃべって、しゃべっている途中で考え込んで、挙げ句「じゃあ、次はこれ」とか言ってピアノを弾き始める。
これって…。
いやはや、あそこまでMCの苦手そうな方は初めてだ。
それでも、その日はぐうぜん私の誕生日だったりもしたのだが、ライブが終わってからそのことを告げるとハッピーバースデーを弾いてくれたりで、気さくな方であったのは確か。ソロアルバムもスバラシイのでついでにご紹介しておく。
彼女のアルバムはなんだかんだで5、6枚は所有している。
西山瞳イン・ストックホルム~ライブ・アット・グレンミラー・カフェ~
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ごく感覚的なハナシなのだが、彼女のピアノには季節感があってとても気に入っている。
いまでは日本でもジャズミュージシャンは何でもないことのように存在するが、以前は
「日本人がジャズを演奏する意味とは?」なんて間の抜けた質問をぶつけられる場面をよく耳にした。
ジャズという異国の音楽に日本人としてのアイデンティティーを! なんて、いまではあまり言われることもないだろうが、少なくとも彼女のピアノには他国のミュージシャンにはない季節感がある。四季がある。それこそが最大の武器ではないだろうか?
また、彼女のライブに伺いたいと思う。