高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

「いいねぇ」と呟きたくなる音色

この前、スタンダード曲の「Everything Happens To Me」をご紹介した際、Amazonで検索したアルバムを貼りつけておいた。

 

1枚は私も所有していたモノだったが、1枚は知らないアルバムだった。

 

ピアノとコルネットのデュオ。

 

とても気になった。

 

で、買ってみた。

 

 

エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー

エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー

 

 

今回ご紹介はコチラのアルバム。

 

いやはや、久々の大当りだったのだ。

 

演奏も選曲もスバラシイのだが、なによりコルネットの音色がね、ホントうつくしい。

 

いわゆるオーディオマニアの方がいう「音がいい」というのとは違う。音色がいいのだ。

 

どういいのかっていうと、紅の豚のカーチス(マルコのライバルの飛行艇乗り)とかが、バーのカウンターに頬杖をつきながら思わず、「いいねぇ」ってつぶやいちまうような、そんな感じ。

 

分かりにくい…。

 

コルネットの音は、トランペットを少しやわらかくした感じをイメージしていただけると分かりやすいかもしれないが、場合によっては「軽く」聴こえてしまうことがある。

線が細いというか、弱すぎる感じ。

 

しかし今回の演奏者、ラッセ・トゥーンクヴィスト(なんて覚えにくい名前!)、本当に音が豊か。やわらかいし優しいが、弱くない。とてもふくよかで、だけど愚鈍という感じはしない。半熟卵ぐらいの世界で活躍するフィリップ・マーロウみたいだ。

 

あぁ、これも分かりにくいな。

 

 

Everything Happens to Me

Everything Happens to Me

  • Lasse Tornqvist & Jan Lundgren
  • ジャズ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

 

The Very Thought of You

The Very Thought of You

  • Lasse Tornqvist & Jan Lundgren
  • ジャズ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

ま、なにはともあれ、

え? こんなスゴいひと、いたの?

 

という感じ。

 

 

別に新人さんというわけではない。

大ベテランだ。

いっとき、日本でも売れていた時期がある。

 

「スウィート・ジャズ・トリオ」。

 

いったい誰がそんな名前をつけたのか、そんな名前じゃ、いくら軟派なジャズファンの私でも買いはしない。

 

で、まったく彼の存在を知らなかった。

不幸なことである。

 

今回は、彼の相方となったヤン・ラングレンを知っていたので購入に至った。ラングレンに感謝である。思えば、彼も若いころは「ピアノの貴公子」なんて呼ばれてコアなジャズファンからは見向きもされない、なんていう不遇を囲っていたが、今ではすっかり実力者として認知された。

やれやれ、日本のプロモーションを担当している方は、いったいどこを見て売り出そうとしているのか分からない。困ったもんだ。

 

そんなこんなで、発売からずいぶんと時間が経ってしまったが、無事にこのアルバムと出逢うことができた。この幸運を素直に喜びたいと思う。