高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

パントマイム

 

まぁ大道芸、ピエロ、とくればパントマイムかな。と。

今日も安易である。

 

といっても、そんなに詳しくありません。

 

とうぜん自分では出来ないし、やっているヒトを見たこともあまりない。

 

 

何はともあれ、きわめて不思議な表現手法だと、むかしから思っている。

 

人間が日常的に行う体の動きなど、決してドラマチックなものではない。オーバーアクション気味に演じるにしても、その日常に物語性なんてほとんどない。その中で、よくヒトを飽きさせない舞台演出ができるものだ。と、漠然とした知識のままに、そう思っていた。

 

で、せっかくなんでちょっと色々と動画を覗いてみた。

 


パントマイム (岡村渉)

 

 

これが一番イメージに近いかな。

歩く動きがスゴイ。ただ歩いているだけでもないし、ただ大袈裟に動いているだけでもない。彼が歩くと、地面ごと動いているように見える。

 

傘ひとつ手にしても、傘そのものに引っ張られているようにしか見えなかったりする。

鞄に至っては完全に空中に浮いている。としか思えない。

 

 

うん、なかなか面白いね、パントマイム。

 

 

もともと、一発芸的なお笑いがあまり好きではない。

よく分からない奇声をあげてみたり、馬鹿みたいに服を脱いで踊ってみたり…その手の芸を私は芸とは思わないし、そもそもたいして笑えるものでもない。

 

 

一方、パントマイムはまったくの無言。

そしてただ裸を晒すのではなく、しかし身体運動を駆使しての表現に特化している。

考えてみれば、私がもっとも好きになるタイプではないか。

 

 

音楽との相性もすこぶる良い。

いろいろと調べてみた。まだまだ分からないことも沢山あるみたいだが、そもそもパントマイムの歴史はギリシャ・ローマ時代にまで遡っちまう、とのこと。

いやはや、古いね。日本の縄文時代ぐらいってことだからね。

で、そこでは音楽やナレーションに合わせて舞台を執り行っていた。と。

相性が良いのは当然かもしれない。

 

 

ついでだが、何故に言葉(台詞)を極端に抑えていたのかというと、世界各国を興行してまわる際、言葉の壁がない方がいいからだ。とのこと。

なるほど、納得。もうこれは、完全に音楽と同じ。

 

 

「無音の楽器」

それがパントマイムの本質のひとつとみた。

 

 

 

とはいえ、似たパフォーマンスなら他にもある。

 

ダンスだ。

 

彼らもまた、台詞というものを持たない。当然、音楽との相性も良い。

 

しかし、だ。

果たして一般的なダンスに、パントマイムほどのメッセージを伝達する力があるだろうか? もともと演劇から派生したパントマイムは、やはり台詞はなくとも、雄弁だ。

 

 

「雄弁なダンス」

それもまた、パントマイムの本質とみることもできるのか…。

 

 

深いな。

恐るべし、パントマイム。

 

 

 

 

 あ、ちなみに上は18世紀末から19世紀初頭にフランスで活躍したドビュローってパフォーマーの生涯を描いた名作映画、とのこと。

 

 

 

それにしても、パントマイムってなんでコミカルな方向にばかり進んでいくんだろうね? これだけ出来るんだったら、もっとカッコいい演目も出来ると思うんだけど。

 

 

 

と、ハナシがどんどん拡大していくので、最後にひとつ、オマケの話題。

 

 

実は数年前から、ひとつだけ気になっている演目がある。

 

 


www.kanjiyama.com

 

代々木上原に「ムジカーザ」という音楽ホールがあるのだが、以前そこのスケジュールを調べていた時、たまたまその存在を知った。

 

この「ショパンの生涯」というタイトルでコメディにはならないだろうし、どうやら舞台ではピアニストの演奏も加わるらしい。

 

コレ、絶対カッコいいヤツだよね。

 

観たいんだよなぁ。

 

ぜんぜん動画とか、あがってないんだよなぁ。ネットで調べてもまったく詳細が出てこない。公演も不定期。というか、依頼があったらやる。みたいな感じだし。そもそも、これ2016年のハナシだし。

 

こういうの、もっと話題になっていいと思うんだよなぁ。

 

 再演を期待する。

 

 

ということで、何だかまとまりのないハナシになっちまったが、今日のところはこれでオシマイ。