高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

たまには音楽の話

ここのところずっと外出続きで撮影しているので、たまには部屋でおとなしくしていましょうねって話題を書いておかないと批判がくるかもしれない、との自己防衛本能が働いた・・・というわけでもないのだが、蒸し暑いし、雨模様だしで今日はおとなしく部屋に引きこもっておりました。

 

そんなわけで、今日はおとなしく音楽に耳を傾ける。

 

 

 

AFTER BACH

AFTER BACH

  • アーティスト:MEHLDAU, BRAD
  • 発売日: 2018/03/09
  • メディア: CD
 

 

ブラッド・メルドー

 

いつからこのおじさんが好きになったんだろう?

 

最初はあんまり好きじゃなかった。

 

だって、暗いし。

 

 

もともと、彼がデビューしたてのころに興味本位でアルバムを買ったのが始まりだ。

 

当時、右手と左手、両の指先でふたつの即興演奏を同時に繰り広げるピアニスト、とのことで話題になっていた。

 

たしかに、ふたつのメロディが同時に聴こえてくる。おまけにそれはめちゃくちゃに弾かれるものでもない。つかずはなれず・・・いわゆる対位法ってやつだ。

 

 

でも、そんなに惹かれたわけでもなかった。

 

 

たしかに、凄かった。

 

でも、好みではなかった。

 

 

もともと、スタンダード寄りのjazz好きだ。

 

オーソドックスなスタイルが好きだ。

 

彼はちょっと小難しい。

 

そんな印象。

 

 

では、何故に好きになったのか。

 

 

ひとつ、彼にまつわるエピソードがあった。

 

 

ある晩、店で演奏していた彼に、酔っ払いが絡んできた。

「つまらねぇ演奏しやがって」と。

 

ナンと彼、突然その客を殴り飛ばしたそうだ。

こぶしで。

 

 

いいねぇ・・・

 

 

 

ライヴ・イン・トーキョー

ライヴ・イン・トーキョー

 

 

今や誰もが認める天才だ。

 

至宝とも呼ばれる両手を持つピアニストだ。

 

そんな彼が、平然とこぶしを使って客に殴り掛かる。

 

 

批判的なひともいるだろうが、私はそんな彼がすっかり好きになった。

 

と、そんなわけで音楽そのものを好きになるより先に、彼自身が好きになった。

 

好きになって聴くと、音楽そのものも肯定的に聴ける。

 

肯定的に聴けると、その音楽の良い部分にも気づくことができる。

 

まぁそんなもんだ。

 

誰にだって良いところもあれば悪いところもある。

 

すべてを批判するよりも、良いところを見つけられればいいと思う。

 

 

Live

Live

  • アーティスト:Mehldau, Brad
  • 発売日: 2008/04/08
  • メディア: CD
 

 

なんだか道徳の授業? みたいになってしまったが、まぁ私も好き嫌いはけっこうある人間だし、今の外出自粛が収束したら、嫌いな人にも少しは話しかけてみようかなぁ、なんてことを考えた。実行するかどうかは知らないけど。

 

 

そんな感じ。