ロードムービー的な物語
以前にもチラッと書いたかもしれないが、個人的にロードムービーが好きだったりする。あの、これといった事件性もないまま淡々と旅を続けて行く感じ、あるいは目的地は決まっているのだが、目的地までの道程がつづられるだけで、肝心の目的地に着いてからの話はどこにも描かれない、ちょっと不思議な感じ。
最近、やたらとチャリンコに乗る機会が増えてきたからだが、ちょっとそういった旅の物語が、気になり始めた。
ぜんぜん知らない作品だったのだが、ふと検索したら出てきた。
以前にフランス留学していたという映画人のレシピ付きエッセイ集?
みたいな作品らしいが、まぁ何となく面白そう、という程度で載せてしまった。
同じ作者だった。
やっぱりなんとなく、おもしろそうな・・・
旅に出ると、どうしてもその目的地で楽しむことばかりがメインになってしまって、その工程を楽しむ事ができない。なんてことが多い気がする。せっかち、というわけでもないのだが、どうも「移動は移動」と思ってしまうところがあり、「移動」自体がすでに「旅」である、という認識がない。
そんな私に「移動」することの楽しさを教えてくれるのが、ロードムービーのように思う。
最近は、旅どころではないといった風潮が世界的に蔓延しているが、旅した気分になら、いくらでもなれる。音楽だって本だって映画だって、それこそ料理だって各国各地域、それぞれの特徴がある。しばらくは、おとなしく過ごすことにする。
最後に、私にとってのロードムービー的物語、ミヒャエル・エンデの『鏡のなかの鏡』をご紹介しておく。旅する場所は鏡の中、のような世界だ。人間の下意識の世界のようでもある。
そう、人間の想像力は、どんなに家の中に閉じこもっていても、世界中どこにでも行ける。