高北謙一郎の「物語の種」

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彩湖、ふたたび

昨日の夕方、ふたたび彩湖までチャリンコで出向いた。

 

前回、早朝の撮影をした時にちょっと思ったのだ。

 

ここ、夕方の方がキレイかもしれない。と…

 

 

日の出を捉えるために湖をぐるりと回った際、どうしても建物やらが写り込んだ。建物だけなら別になんとでもなるが、看板はサイアクだ。

 

下品な上に権利うんぬんまで主張してくる厄介者、それが看板である。

 

しかし、日の出を正面に捉えて撮影しながら思ったのだ。自分の背中側は荒川の土手になっていて、邪魔になる看板も、建物もない。

 

で、なら夕方の西陽を捉える撮影では、余計なものは写り込まないはず。と…

 

 

 

狙いはズバリ的中した。しかし、昨日は前回とは違う問題があった。

 

天気がね、良すぎた。

 

雲ひとつない晴天。

 

 

雲、ひとつもないとけっこう地味な写真になる。

 

 

17時頃に現地入りしたのだが、その時間帯だとまだ空も明るくて、なんだかのっぺりした印象。

 

こりゃ、しばし待つしかない。

 

 

撮れ高、という言葉をたまに耳にする。

 

1度の撮影でどれだけモノになるカットを残すことができるのか…しかし撮影には、たった1枚のカットを手にするために行う撮影もある。

 

昨日はそんな感じだった。

 

18時頃、ようやく西陽がいい感じに傾いた。

 

空にグラデーションが出来てくる。

 

湖に、西陽が煌めく。

 

対岸は土手。余計なものはない。

 

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しかし空の色合いを重視したかったのでシルエット描写になるまで暗く落とす。この時点で当初の建物やら看板うんぬんはどうでもよくなってしまったが、そんなことはよくあることだ。

 

代わりに、想定していなかったチャンスが到来。

 

鳥がいた。

 

湖には魚が棲んでいて、その魚を狙って鳥たちが時どき湖面を横切っていたのだ。

 

写せるかな…なんとなく、期待。

 

 

すぐ近くにいるのだが、なかなか飛び立たない。

 

飛び立ってくれても、すでに固定している構図の中で、いい位置に飛んでこない。

 

加えて、飛んでいる鳥のシルエット…翼をキレイに広げてくれないと、美しくない。

 

そんなこんなで、同じ場所でじっくり構える。

 

私は動物写真家ではないのであまりこの、待つというのが得意ではないのだが、それでも待つ。

 

そしてその瞬間は訪れた。

 

 

これだ。

 

 

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photobytakakita

 

 

 

うん、我ながらカンペキ。

 

 

もうね、これが撮れれば昨日は満足。

 

 

日暮れも近づき、夜道のチャリンコも危険だし、これにて撤収。

 

はい、そんなこんなで昨日は一撃必殺の撮影だったとさ。オシマイ。

 

皆さま、お疲れさまでした!