蓮の花
蓮の花が、意外と好きだったりする。
日本にむかしからある花だが、どこかエキゾチックというか、オリエンタルな雰囲気があって、そこに惹かれる。
そんなわけで、昨日は埼玉県は行田市にある「古代蓮の里」にお邪魔した。
蓮の花は早朝に咲く。昼前には花を閉ざしてしまう。よって、早起きの得意な私はさいたま新都心より始発の高崎線で行田に向かった。
が、ここからが問題なのだ。なにしろこの「古代蓮の里」、駅からのアクセスが抜群に悪い。徒歩だと1時間はかかる。
市として蓮を推しているにもかかわらず、シャトルバスは7時前ぐらいからのスタートだ。そんな悠長なことをしていたら私よりも早起きで地元に暮らすおじさまカメラマンに勝てないのだ。私は誰もいない中で蓮と向き合いたいのだ。
じゃあ、タクシー。
…ない。駅前にタクシーが1台も停まってない。
ホント、こういうときこそ自分でクルマ出せばいいじゃん。とか思うのだが、知らない場所に運転していくの、コワイ…。
ま、こんなことは想定内さ。そしてこんな場合の私は…まぁ歩くよね。
ワケわかんないぐらい歩くわけだ。
道は基本的にシンプル、ただ道なりに歩く。ひたすら歩く。1時間。1時間じゃ済まない。1時間と半分近く。カメラ機材、重い。われながらさすがの脚力。私、たぶん今この世界が滅んだとしても奥さまをおんぶして逃げる自信がある。世界が滅んでしまったらどこに逃げれば良いのかは分からないけど。
で、とにかく歩き回ったすえ、ようやく目的地に。
けっきょくおじさまカメラマンには勝てず、すでにそこそこのヒト。おまけに写真教室みたいな団体さんもいて、なかなか厄介。
それでもマケナイ。ワタシ頑張る。
天気は晴れ間の多い薄曇り。条件としては悪くない。
陽射しに透ける花びらがとてもキレイ。
とはいえ、まだ咲いてる蓮そのものが少ない。まぁ、あればあったでウレシイが、なければないで構わない。そんなに膨大な量で撮らなくても、蓮は1輪でも充分な存在感がある。
陽射しもけっこう出てきたんで、光の向きを意識。出来れば引きのカットが欲しいのだが、なかなか良い場所がない。なんだろう、悪くはないんだけど、これといった眺望に恵まれない。やはりヒトが多いぶん、全景を入れるのはムズカシイか…。
まぁ、それでも数ヶ所ではうつくしいカットも撮れたし、満足の撮影。すでにたどり着くまでにだいぶ歩き疲れたのと、次第にお客さんの数がタイヘンな感じになってきたので、2時間ぐらいで終わりにした。
ところで、帰りはバスに乗ったのだが、普段はSuicaがあれば問題ないが、こちらのバスは現金払い。1回利用で150円。なんだその中途半端な値段。たまたま小銭があったからよかったが、両替とか小銭の投入口とか、日ごろ使ってない人間としては分かりにくいし、どうしてだかバスの運転手さんはいつだって無愛想。そもそも、古代蓮の里のバス停で係のヒトに確認して乗り込んだバスだが、シャトルバスとかフツーに別の場所から出てるし、なんでそこ、教えてくれないんだろう? 全体的に観光地としてはビミョー。ちょっと不快だったな。あぁスミマセン。批判的意見を書いちまった。
さいたま市在住の私にとって、行田市はさほど遠くもない場所ではあった。しかし、トータルで掛かる時間を考えると、上野の不忍池で撮影した方がよほどカンタンだった。ということで、次回の撮影は不忍池に行こうと思う。