さくら撮影企画を終えて
さて、ここ2週間ほど、さまざまな場所でさくらを撮影してきた。
ここまでホンキでひとつの被写体に向き合ったこともなかったので、たいへん勉強になる企画だった。
それまで、「さくら」は撮られ尽くした素材だ、との認識があった。
正直、撮影を始める前は自分でそれを撮ることの意味を見いだしにくかった。
それでも個人的にさくらが好きで、しかしまだあまりホンキで撮影したことがなかったから、「まぁ1度ぐらいやってみようか」、なんて程度で始めたのが実際のところだ。
単発ではなく回数を重ねることで、バリエーションを意識することになった。
時間帯や場所だけでなく、構図や手法、何をどう撮るか…いまの自分が出来ること、出来ないことも明確になった。所有する機材の限界としてムズカシイものもあった。
天候やコンディション、タイミング…あらゆる要素によって左右された面もある。
本当に、色々なことが合わさって1枚の写真として完成する。そのことを改めて実感した。
加えて、やはり写真は自分の足で撮るものだと、改めて感じた。限られた時間の中、重い機材を抱えての移動はなかなかキツかったが、けっきょくそのタイミングでその場所にいることでしか、その1枚を撮ることは出来ない。撮られ尽くしたと思ったさくらは、しかしその瞬間にしか撮れないさくらでもあった。
…と、スゲー真面目に書いちまったが、本当に勉強になったのだよ。
あと、ほかの記事でも書いたが、私の奥さまがクラシックに取り組むことにも、以前よりも遥かに共感できるようになったと思う。
「弾かれ尽くした音楽」と「撮られ尽くした被写体」。
それに取り組むことの意味と魅力…自分でやってみたことで体感できた。
個人的には、これがイチバン嬉しかったことかな。
うん、実に収穫の多い企画であった。
また何か新しい企画を考える際にも、今回の経験は役に立つだろう。満足である。
そしてこの短い期間ではあったが、日に日に見に来てくださるかたも増えて、それが原動力のひとつとなったことも確かだ。
改めて、ありがとうございました。