高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

職務質問

いつもながらの連想ゲーム的流れだが、昨日の「箱男」の話題から、今日は職務質問のお話を。

 

といっても、私はまだそれを受けたことがない。以前、知り合いの男性は週に1度か2度は捕まっていた。そこまで奇抜な格好をしていたわけでもないのに、なぜ彼は頻繁に警察官から声をかけられたのだろう?

 

そもそも職務質問とは、いったいどんなことを訊かれるのか? 相手によって変わるものなのか? それともなにか、マニュアルめいたものが存在するのか…。

 

 

気になる。

 

 

どうすれば私も職務質問をされる人間になれるのだろう?

 

職務質問―新宿歌舞伎町に蠢く人々 (幻冬舎アウトロー文庫)

職務質問―新宿歌舞伎町に蠢く人々 (幻冬舎アウトロー文庫)

 

 

自慢ではないが、そこそこアヤシイ行動はしてきたつもりだ。特に写真でのアートっぽい撮影のときは顕著だ。オブジェを使っての撮影では、マネキンの足を抱えてラブホテルに忍び込んだこともある。梯子を使って電信柱の足場にスーツを引っかけたこともある。巨大な姿見の鏡と、同じくらい背の高いキリンのオブジェを抱えて1キロ以上住宅地をさまよい歩いたこともある。

 

しかし、1度として職務質問を受けたことはない。

 

職務質問を受ける人間…彼らには、なにか特別なオーラでもあるのだろうか?

 

 

 

それなりに、厳しく問いただされるのだろうか? 「オマエなにか企んでるだろう」と、ネチネチ苛められるのだろうか? その時もし、私がストッキングを穿かせたマネキンの足を持ち歩いていたら、なんと説明すれば良いのだろう? 

 

気になる。

 

とても気になる。

 

いいなぁ、私も職務質問、されてみたいなぁ。やっぱり段ボール箱を頭からすっぽり被って、街中をうろついてみるのが有効だろうか? 仮面を被って奇声を発するべきか?

 

 

そういや以前、独り暮らしをしていたころ、空き巣に入られたことがある。外出中、不動産の方から連絡が入り、事件を知った。

 

そのとき思ったこと…

 

マズイ、マネキンの足、部屋のコーナーに飾ってある! ストッキングもいくつか、候補としてストックがある! 

え? 大丈夫なのか、私?

 

…と、そんなことを考えた。

 

 

幸い私がよほど前衛的なセンスを持つ男と思われたのか、現場である部屋を訪ねてきた警察官は、それについては何も訊かなかった。

まぁ、そもそも私は被害者であって加害者ではない。警察官も別に疑ったりはしていなかったのだろう。

 

それでも、若干あせったのは確かだ。

 

もしかすると、実際に職務質問なんてされた日には、私は挙動不審な受け答えに終始するのだろうか? 挙げ句、キンチョーのあまりその場から逃走なんてこと、しないだろうか? 気になる。やはり今度、真夜中の街をピエロのメイクでもしながら歩いてみようと思う。

 

たぶん、嘘だけど…

 

 

 

 

あ、ちなみに空き巣に入られた件は、完全に未遂に終わった。当時アパートの1階に住んでいたのだが、犯人はその窓を叩き割って入ろうとしたらしい。しかしそこで、隣に住む女性が物音を聞いて外を覗いた。で、犯人はあわてて逃げたした。と…。

 

いやはや、盗られて困るほどのモノはなかったとはいえ、何も盗られずに済んでよかった。