春のごとく
昨日、宣言通りに「パスタ プリマヴェーラ」を夕食としてつくったので、今日からはもう春として過ごしている。
関東は風が冷たいし、関東より北の方は、まだ春とすら感じてもいないのだろうが。
それでも、せっかくなので今日は春のスタンダード、「It Might As Well Be Spring(春のごとく)」のお話。
作られた正確な年は知らないが、1945年あたりにアカデミー賞にも輝いたリチャード・ロジャースの名曲。
正確にいえばこの曲、春の曲ではない。
「春のごとく」…つまり春のようだ、と例えているのである。
誰かを恋愛対象として意識した時の気持ちを春に例えたような歌詞、といえば伝わりやすいだろうか…。
演奏者によって様々な解釈がされているが、なんとなくそれぞれの恋愛観を表しているようでもあって興味深い。
明るく、恋するよろこびを謳う者もいれば、募る切なさを表現する者もいる。
当然というか、個人的には切ない方に惹かれる。
エディ・ヒギンズは、明らかに恋愛で苦労してないな、コレは。
で、ルイス・ヴァン・ダイクはだいぶこじらせちまった感があって共感する。友だちにはなれなそうだけど。
自分のCDラックを漁ってみたのだが、スタンダードだけあって多くの演奏者がカバーしていた。
スタンダードソングの楽しみ方はそれぞれだが、意味を理解した上で聴いてみるのはなかなか面白い。
そういえば以前、馴染みのジャズバーで「Blame It On My Youth」という若かりし日の失恋を歌った曲を「新婚なんです」といいながら弾いていたピアニストの女性がいて、そのあまりの名演ぶりに「大丈夫なのか、この子?」と思ったことがある。
なにはともあれ、物事に対する自分の価値観も分かってしまったりするところもあるので、自己心理テスト的に楽しむのもアリだと思う。
皆さんもこのサンプル曲の中で、自分の好みの演奏はあっただろうか?