高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

アマルコルド

 

Gallery Bar AMARCORD

 

 

いきなりのお店紹介。

しかもわりとアブノーマル。

なぜそんな唐突に? 

 

もちろん、唐突に思い出したからだ。

 

連想の素はある。きっかけはおととい我が家に遊びにきてくださった奥さまの職場の先輩。

まず表記するにあたり、フツーに「先輩の女性」とするか、お名前のカシラ文字を使うかで迷った。

で、今度はカシラ文字にした場合、その後ろをどうすべきかで迷った。

つまり「Oさん」か「O先輩」か「O氏」か「O女史」か…「Oさま」…悪くはないが「王様」みたいだ。では…「O嬢」…

 

 

はい、そんなわけで「O嬢の物語」を思い出した。むかしむかしのアブノーマル系フランス文学である。真面目に読めばその精神性の深みも理解できるかもしれないが、どうしてもスキャンダラスな面で注目を浴びてしまう、少し損をしている作品だ。

 

O嬢の物語 (角川文庫)

O嬢の物語 (角川文庫)

 

 

で、そんな非日常の物語を思い出したところで、「あぁそういえばあのお店、ずいぶんと遊びに行ってないな」、と…。

 

 

新宿、「アマルコルド」。

いわゆるSM系のバーだ。バーではあるが、アートギャラリーとしての1面も持ち合わせている。念のため言っておくが、私はアートギャラリーとしてそこに飾られた写真を鑑賞するために遊びに行った。もうずいぶんと前のことである。

 

とはいえ、フツーにお酒も呑んだ。

印象的な環境での飲酒だったので、妙に記憶に残っている。なにしろカウンターで呑んでいたお客さんが、おもむろに席を立ったと思ったらボンテージに着替えて再登場したり、ムチとかテーブルの上に置いてあったり…どうやらそれがそのお店の日常っぽかった。

 

繰り返すが、私はアートギャラリーを鑑賞するために利用した。

 

一時期ポートレート系の雑誌で、そのお店での写真展を企画していたのだ。

自分で撮ったポートフォリオを提出し、審査に通ったらそこに飾ってもらう、という感じだったと思う。

 

残念ながらというか、当時の私の志向する作品は、雑誌やお店が求めるようなタイプのものではなかったので応募すらしなかったが、何だかんだでその場所を訪ねたのは貴重な体験となった。

 

 

そのうちまた行ってみようかな。

 

 

しかしフツーに呑みに行くとしたら、私はどちらに属するのか? 

サディスティックな嗜好はないが、かといって虐められるのも好きではない。

あるいはそれを知ることこそを求めて行くべきお店なのか?

 

…って、なにもそんなことまでさらす必要もないか。

 

お酒もこだわっている。アブサントとか、フォンテーヌ(冷水をゆっくり落として、砂糖を溶かすための道具)を使った古めかしい飲み方とかやってるし、気楽に遊びに行けたらいいな、と思う。

 

行けるかどうかはビミョーではあるが。