高北謙一郎の「物語の種」

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ピアノ・ポートレート

昨夜は奥さまも参加した教会でのコンサート。ご来場くださった方、私からも感謝を。

 

演奏中にビニール袋をグシャグシャにしていた迷惑なオジサンには呆れ果てたが、演奏そのものはとても良かったと思う。

 

 

 

ところで、おそらくポートレートの写真を撮る中でも最高峰の難易度だと思うのが、ピアノ・ポートレートだ。

 

これ、楽器そのものが極めて撮りづらい。

 

フタを開けないとただの黒いカタマリだし、かといって開けてしまえば、その時点で開けちまった側のアングルはほぼ不可能になる。

 

そしてさらに問題なのが、ピアニストをどう写せばいいのか。ということ。

 

正面から撮れば、ビアノ特有のピアノ線やハンマーが写せるし、ピアニストの顔も写せる。しかし、肝心の鍵盤やピアニストの指先がまったく写らない。

 

かといって、ピアニストの背後に回り込んでしまうと、今度はピアニストの顔が写らない。

 

では横からのアングル? 

かと思うと、それはそれでムズカシイ。

なんだかバランスが悪いのだ。鍵盤も指先も、それに横顔も入る。うまくすればピアノ線も入る。だが、何かスワリが悪い。

おそらく上半身の切りどころがムズカシイのだと思う。

 

意表をついて上から。というのも考えないではないが、ピアニストのアルバムで見るその手のアングルで、いいな、と思った写真はない。

 

 

数年前、ピアニストである奥さまとともに、池袋のピアノスタジオに撮影に出掛けた。

照明機材もすべて運び込んだのでそうとう疲れた。そして、やはり手こずった。

 

せまい空間での撮影だと、鏡面仕上げのピアノは余計なモノが写り込む。隠せる場所もないし、隠れる場所もない。全体を引きのカットで撮ることはほぼ不可能だった。自由に動けるようでいて、なかなか不自由なのだ。

 

そんな中、めげずに撮り続けた。理想的なアングルを探りながら、ビアノの周りをウロウロと。

 

で、その結果がコチラ。

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ピアニスト 宮澤亜希子 photo by takakita

斜め後ろのアングル。ピアノの写り込みを利用して両手の指先を絵の中におさめる。

照明は定常光のハロゲンライトを使用。敢えて彩度たかめで絵画っぽく仕上げてみた。

 

 

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ピアニスト 宮澤亜希子 photo by takakita

二枚目は、なぜだかいつもモノクロにしている。なんか、古いお店のピアノのそばに飾ってあったらステキではないか。と、そんなイメージでプリントアウトの時はもう少し黄色味を強くして、色あせた雰囲気を出している。

 

 

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ピアニスト 宮澤亜希子 photo by takakita

こちらは最近撮った写真だが、引きアングルでじゃっかん斜め上からのカットだと、ピアノを横から捉えてもサマになることが判明。

雰囲気もあって、ここ最近でイチバン気に入っている。

 

 

ピアノ・ポートレート、まだまだいろいろと挑戦できそうなジャンルである。

また新しい作品ができたら投稿したいと思う。

 

それでは。 

 

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奥さまがいただいた花を部屋で撮影