高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

百頭女

昨日、こだわりの本を紹介して思い出しました。

 

「百頭女」――そもそもなんて読むのかも分からないマックス・エルンストの奇書。

エルンストはドイツ(のちフランスに帰化)の画家・彫刻家でしたが、この作品は147点のコラージュで構成されたもの。

 

コラージュとは、フランス語で「糊づけ」ということで(さっき調べた)、まったく関連性のない本の挿絵とかチラシの切り抜きとかを貼り合わせて(糊づけして)作品にする、という、「なんだってそんなことしたの?」っていう技法です。

 

で、この「百頭女」はそんな作品のオンパレード。ただ、一応ひとつひとつの作品の下に短い詩のようなもの(これがまた妙にカッコイイ!)が書かれていて、「ストーリー性のある画集」というのがイチバン近いのかな……まぁ、じゃあどんなストーリーなの? と訊かれてもよく分からないのですが……なんとも一筋縄ではいかない代物です。

 

百頭女 (河出文庫)

百頭女 (河出文庫)

 
百頭女 (1974年)

百頭女 (1974年)

 

 

もともと文庫本で購入したものの、妙に気になる存在感(おおっぴらに大好き、とは言い難い)を示す作品で、のちに1万円で古本を購入。ええ、昨日8000円で怖気づいていたくせに、こちらは買いました。若気の至りってヤツですかね。

 

昭和49年12月25日発行――よりにもよってクリスマスにこんな本を売り出すなんてね。というか、こんな古い本よく手に入れられたな私。

 

ともかく、それ以来、時どき眺めては闇に浸っています。

夜、真っ暗な部屋でろうそくを灯し(断然ろうそくでしょう!)、ひとりニタぁって笑いたいひとにお勧めです。

 

慈善週間または七大元素 (河出文庫)

慈善週間または七大元素 (河出文庫)

 
カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢 (河出文庫)

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