高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

ノートルダム大聖堂

パリのノートルダム大聖堂で火災が発生した、とのニュースを今朝になって知った。

 

パリはおろかフランスにすら行ったことはないが、気になるニュースではあった。

 

 

たぶん、「ノートルダムの鐘」の影響だ。

 

歴史的建造物を舞台とした悲恋の物語といえば「オペラ座の怪人」とこの「ノートルダムの鐘」だ。

 

 

どちらも舞台化もされ、どちらも人気の作品。どちらも容姿の醜い男の片想いの物語。共通点は多い。

 

違うのは、「オペラ座」は片想いの末に暴走化するのに対して、「ノートルダム」は自ら身を引くという選択を取るという点。

 

ヴィクトル・ユーゴーの名作。ずいぶんと昔のことではあるが、まさかディズニーが手を出すとは思わなかった。

 

ノートル=ダム・ド・パリ(上) (岩波文庫)

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ノートル=ダム・ド・パリ(下) (岩波文庫)

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実を言えば、原作を読んだのは大人になってからのこと。作品を知ったのは、アニメ化されたディズニーの映画だった。

 

英語版、吹替えナシで観た。

 

英語が苦手なかたなら分かっていただけると思うが、年に1回か2回、「英語、ベンキョーしようかな」、なんてことを考える。

 

基本的にはダイエットと似た構造だと思うが、数日で忘れ去る衝動みたいなものだ。

 

で、その当時も同じような衝動に駆られた。

 

で、「英語で映画を観てみよう」と…。

 

 

当然、あまり複雑な会話が中心の物語ではついていけない。ハリウッドアクションなら内容は理解できるかもしれないが、ただカーチェイスや銃撃戦を観ても勉強にはならない。

 

で、ディズニーだな、と…。

 

 

いやはや驚いた。ディズニーなら間違いなく単純なハナシだと思い込んでいたのだ。ディズニーなら間違いなくハッピーエンドだろうと、勝手に思い込んでいたのだ。

 

しかし、だ。

 

ノートルダムの鐘衝き男、カジモドは、愛する女性のために自ら身を引いた。

 

これ、けっこう衝撃的だった。女性はけっきょく容姿端麗な王子さま的存在に持っていかれてしまうのだ。夢も希望もあったもんじゃない。これ、よくディズニーが手を出したな。

 

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…なんてこと。考えながら観たおかげで、やたらと作品のことを記憶してしまったのだ。

 

私はこの作品で世の不条理を学んだ。

英語は、何ひとつ学べなかったが…。

 

 

すいぶんと話があらぬ方向に逸れたものだ。

 

ノートルダム大聖堂の尖塔が火事になったというニュースからだ。

 

現実の話だ。行ったことのあるかた、あるいはフランスのかたには相当ショッキングな話だろう。

 

しかし私のように、別の意味で静かにショックを受けている人間もいる。カジモド、大丈夫だろうか、と。

 

 

誰もが納得のいく復元というのは難しいのかもしれないが、可能なかぎり、多くのかたが納得できる姿に戻ることを願うばかりである。

 

 

ノートルダムの鐘

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