高北謙一郎の「物語の種」

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スタジオにて

今日、初めて聴覚障害のかたの撮影があった。

 

そもそもこの「障害」ってコトバ、使い方むずかしいよね。「ハンディキャップ」っていうのもまた、どうにも一方通行的というか、健常者側からの視点で決められたコトバっぽい。あぁ、「健常者」ってコトバ自体が中立性を保っていないわけで、もうちょっとコレ、皆で決められればいいのに、とは思う。

 

 

何はともあれ、そんな耳の不自由な女性との撮影。

いつもはひたすら話しかけることでコミュニケーションをとり、相手の緊張を解している私には、会話が成立しないという前提での撮影は初めて。

 

最初から、戸惑う。大声でゆっくりなら通じる、とのことだったのだが、まったく通じない。さらに、マスクをしているせいで口の動きを読んでもらうこともできない。

急いでプリント用紙とペンを持ってきて、筆談。

それでも「お着替えはこちら」とか、「お手洗いはあちら」とか、その程度のやり取り。ポージングの指示とか、細かいことは難しいかも…

 

途中からケータイのメモ+マイクを使って、喋ったことを文字に起こしてディスプレイをお見せする、という流れに。それでもまだ、スムーズには伝わらない。

どうしても、私の方が普段のやり取りの仕方から離れられない。ポージングなんて、普段は言葉で説明しながらジェスチャーというか、ポージングも私自身がいちど取って見せる、という流れなのだが、それだとなかなか伝わらない。どこでどういうポーズを取ってもらって、カメラはどちらからどう写すのか…もう少し詳細に伝えられるとよかったのだが…

 

最終的にはお客さんが手配してくれた通訳のかたがきてくれたから、なんだかんだとカタチにはできた。いやはや、くたびれた。

 

それでも今回の体験は今後の撮影にも役立ちそうだ。何はともあれ、皆さまお疲れさまでした!!