夜明けの彩湖
4時に部屋を出た。
チャリンコに乗った。
1時間後、湖に辿り着いた。
朝の空が、綺麗だった。
『彩湖(さいこ)』
ネーミングはいかがなものかと思わなくもないが、素晴らしい湖だった。
埼玉の湖である。
昨日に引き続きの、荒川河川敷沿いにある。
どうやらこの周辺、撮影スポットとしてはかなり魅力的な場所らしい。
いやはや、朝っぱらからチャリンコを漕ぎまくったかいがあった。
そして空がね、ホント素晴らしい。
湖をぐるりと回った後は、少し近辺を探索してみた。秋ヶ瀬公園という場所があったが、閉園中なのか入ることはできなかった。それでも、人間の気配のない人間の施設は、どこか人類滅亡後の世界を思わせる雰囲気で、妙に惹かれた。
神々しい朝陽の下、生い茂る緑の奥に建つビル…なんだか自然に呑み込まれた人間世界に思えた。
現在、経済活動がストップしたことで、世界各地の空が美しさを取り戻していると聞く。人類が消え失せたら、自然界はどれほどまでの美しさを見せてくれるのだろう…しかしその頃にはもう、たぶん私も消え失せているのだろう…見ることの叶わない景色に思いを馳せながら、帰路に着いた。
脚が、ぱんぱんだった。