プロフィール写真
ずばり、写真を撮られるのが苦手だ。
写真を撮るのは好きなのだが、どうにも撮られるとなると自然ではいられない。
固まるのだ。
レンズを向けられると、もう意識をそこから離すことができない。
で、視線を逸らす。
顔を逸らす。
可能ならば背中を向ける。
もっと可能ならば、逃げ出したい…。
しかし逃げ出すことはできないから、その場で固まる。
いつもモデルさんとかを撮影していて思う。
よく平然とポージングとか、できるよね?
どうにもね、照れてしまうのだよ。
カメラに向かってキメ顔とか、どう考えたってキャラじゃない。
にこやかにほほ笑むなんて、もっとキャラじゃない。
ヘン顔? もっともっとキャラじゃない。
じゃあ、何がキャラに合ってるんだ?
考えた。
視線を逸らして、顔を逸らして、ぶっきらぼうで……
おぉ、これまでやってきたことが最もキャラに合ってるじゃないか!
ということで、今日はプロフィールの写真を撮ろう、という一大決心のもと、カメラを引っ張り出してきた。このブログもnoteもFacebookもTwitterも、ぜんぶプロフィール写真を入れていなかったのだ。さすがにマズいだろう。
ひとに撮られるともっと緊張するから、奥さんのいない間にこっそり部屋で撮る。
セルフタイマー、ずいぶんと久しぶりに使った気がする。
逆光がいいよな。顔とか、見えない方がいいよな。
プロフィールなのに? うん、プロフィールなのに。
窓際かな? 外、天気いいしな。
でも完全にうしろむいちゃうと、えらく不自然だよな。
立った方がいい? いや、座ろう。
椅子を持ってこよう。でも、横向き?
背もたれ、ない方がいいよな。じゃ、奥さんのピアノ用の椅子?
隣の部屋から引っ張ってくる。
で、横向きに座ってみた。まっすぐ…
いやいや、これじゃダメだろう。座高、測るんじゃないんだから。
えっと…じゃあ、片方の足、椅子に乗せる?
え? キザじゃない? 恥ずかしくない? 照れくさくない?
いや、でも固まったままじゃ余計に不自然だし…
そんなこんなの葛藤の末に撮ったのが、
こちら。
キザ(笑)。
明らかに意識しすぎだろう。なに帽子とか被ってんの? 自分の部屋なのに!
ちなみにコレ、目の前でテレビがついている。「男子ごはん」観てました。
なるべく意識をカメラから逸らそうという涙ぐましい努力。
あ、帽子とか、単に寝グセがすごかったんで誤魔化しました。よく見ると、いやよく見なくても、うしろの髪の毛とか、跳ねあがってるよね。
で、部屋着のまま帽子とか被っちゃうと余計にヘンだから無理やりジーンズとジャケットを引っ張り出して…
よそう、なんか言い訳してるみたいで余計に恥ずかしい。
ホント、これだけ世の中さまざまなメディアが存在して、誰もがプロフィール写真を載せるのが当たり前みたいになっているこの時代、この風潮は、いかがなモノかと思う。
写真を撮られるのが苦手な私のような人間には非常にキツイのだよ。
たぶん、同調してくれる方も少なくないと思うのだ。
世の中、誰もが好んで自撮りなんてしたいわけじゃねーよっ、
とか思っているご同胞が、必ずいるはずだ。
いると言ってくれ。
私ひとりじゃこの情報社会を生き抜けないではないか。
平気なヒトたち、代行サービスとか初めてくれないかな?
スタントマンみたいなモノだ。命懸けの場面で主役に代わって危険を引き受けてくれる彼らみたいな存在がいるとしたら、お願いするかもしれない。少なくとも私としては、それぐらい決死の覚悟であった。あぁ、照れくさかった。
何はともあれ、皆さま。
はじめまして。