高北謙一郎の「物語の種」

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シェルカウイ

 

 

 今日の話題はズバリこのひと。何故ってこのドキュメンタリー番組をつい最近に観たばかりだから(家のオンデマンドに入ってるのを偶然発見!)。

 

表紙にあたる写真はよくセクシー系のグラビアで見かけるポージングではあるが(失礼)、シェルカウイは世界的に有名なダンサーであり振付師、演出家。とはいえ知っているひとは知っているし、知らないひとは知らない。ええ、私も知りませんでした(重ねて失礼!)。

 

それでも何故か、とても興味を惹かれた。

けっして彼のY字開脚に惹かれたわけではなく。

 

今回の番組ではシェルカウイ自らもダンサーとして参加する舞台の、その稽古場から本番までの41日間を密着する、という企画。途中途中で彼の生い立ちや舞台に対する想いなどが語られ(帽子がカッコイイ! ←関係ない)、それはそれで興味深いんだけど、それよりも強く惹かれたのは、この舞台のためにシェルカウイから招集されたダンサーやミュージシャンたち。

 

特にフラメンコダンサーのファビアンと日本の和太鼓奏者のショーゴのせめぎ合いは本当に緊張感あふれるもので、そのヒリヒリした空気が観ている方にまで伝わってきた。

 

異文化の衝突、というのは色々なところで実験的に行われることだけど、これほどまでにまったく噛み合わず、ぶつかり合い、ほとんど喧嘩別れみたいになりながらも、それでも何とか2人だけの世界を創り出そうともがき、苦しむ姿にはちょっと心揺さぶられるものが。

 

ダンサー、ミュージシャン、役者……舞台に絡む人々にはどうしてだかとても惹かれる。誰かに何かを伝えようとする姿勢が、物書きよりもストレートだからかな、とも思う。自らの体を使ってダイレクトに表現するその熱量みたいなものを、もっと言葉でも伝えられたらいいのに…なんてマジメなことを考えちまったぜ。って、言葉づかいがヘンになっちまったぜ。

 

とにもかくにも、深く考えさせる番組であった。あ、シェルカウイの舞台そのものもかなりメッセージ性の強い作品だけど、なかなか面白そう。再演とかあるのかな? そもそも日本公演とか、あったのかな? ちょっと観てみたいな。