梅雨寒
昨日はけっこうな梅雨寒でしたな。
寒いくせに動くと暑いっていう、なんとも厄介な感じがいかにも梅雨っぽいが、こんな天気の日は、部屋でこころ穏やかにワインでも飲んでぶっ倒れたいものです。なんてことを考えていた。
まぁ、別に「こんな日」じゃなくてもよくぶっ倒れているが…。
ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン (エクス・リブリス)
- 作者: ポールトーディ,小竹由美子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2010/08/17
- メディア: 単行本
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肌寒い日にワインが呑みたいと思うと、どういうわけかほぼ確実にこの本を思い出す。
まぁ、どういうわけかもなにも、酔っぱらいのアル中オトコの転落人生譚という、親近感湧きまくりの作品だったがゆえに、私の中に深く刻まれているのである。
しかも恐ろしいことに、歳を経るごとに、その親近感は増していくのだった。
おっと。
大丈夫なのか、私?
しかしね、この作品、ホントよく出来ているのさ。冒頭に人生崖っぷちの主人公を登場させたかと思うと、次の章からは時間を遡って過去のエピソードを綴っていく。そう、破滅に至る経緯が徐々に明らかになっていく構成だ。
目新しいかどうかではなく、その質そのものの高さを、もっと評価して欲しい作品だ。
著者のポール・トーディは、デビュー作の「イエメンで鮭釣りを」がわりと有名。「砂漠でサーモン・フィッシング」のタイトルで映画化もされた。ユアン・マクレガーとか出ていたわりには、日本ではあまり話題にならなかったようにも思うけど…。
- 作者: ポールトーディ,Paul Torday,小竹由美子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
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だんだんハナシの収拾がつかなくなってきた。そもそも、なんのハナシだったか…
あぁ、肌寒い日にはワインだよね、と。
うん、数年前、とある寒い日の午後に、私は「ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン」を部屋で読みながら、ワインを飲んでぶっ倒れた。その記憶が強い。
食やお酒にまつわる物語を読みながら、それと同じものを実際に口にする…なんとなく、贅沢な時間だと思わないだろうか? 破滅の物語を読みながら一緒に破滅することが、贅沢かどうかはともかくとして。
そんなこと、よくやっていたよなぁ…なんてことを思う梅雨の晴れ間、なんだかんだと暑い午後であった。