高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

ジゼルふたたび

2週間ほど前に東銀座の老舗映画館、東劇にてバレエ「ジゼル」を観た。

と、以前の投稿でもお伝えしたが、

昨日ふたたび観劇してきた。

 

 

まさかね、私がバレエを2度も観に行くことになろうとは。

 

とはいえ、今回これほど私が夢中になったのは、おそらく「アクラム・カーン版 ジゼル」という括りが大きいのだと思う。

 

アクラム・カーン。

イギリスを代表する世界的な振り付け師。ロンドンで行われたオリンピックの開会式等でも、深く関わっていた。

…と、知ったかぶりして書いてみたが今ネットで調べた。ロンドンオリンピックにかんしては、当時は浮き世を捨てていた私、開催されたことも知らなかった。

 

しかしまぁ、そのアクラム・カーンがスゴい。彼が「ジゼル」という古典的バレエ作品を新解釈で構築しなおしたのが、今回の「アクラム・カーン版 ジゼル」であり、おそらくそのことで、私のようなバレエ初心者にとっても感動的な作品に生まれ変わったのではないだろうか。

 

もうね、映像を見てもらえばすぐにお分かりいただけると思うが、一般的なバレエに対するイメージとはまるで違う。

 


Akram Khan's Giselle: Katja Khaniukova's favourite moments

 

バレエ、こんなにカッコよかったっけ?

 

という新鮮な驚き。

 

前回の投稿ではあらすじめいたことしか書かなかったが、何しろすべてがスゴい。

まず、照明が秀逸。ちょっとした色味のセンスのよさ、効果的な使い方…いいなぁ、こんなヒトと組んで写真撮りたい。

衣装も悪くない。ある意味、最も固定観念めいた色メガネで判断されてしまうであろうバレエの衣装を、シンプルで斬新なモノに置き換えた功績は大きいと思う。

音楽もまた、壮大でドラマチック。

 

そしてラストは、2回目にもかかわらず、ワタシまたしても大号泣。

なんだろう? ジゼルの表情がね、あまりにも切ないのだよ。ホント、彼のこと好きだったのね、と思うと、その運命は涙なくして観ることができない。

 

 

主演ジゼルを務めるタマラ・ロホは、今回の「ジゼル」によって世界的名声を手にしたイングリッシュ・ナショナル・バレエ団の芸術監督も務めている。

 

アクラム・カーンとタマラ・ロホ、

この2人が組んだことで今回の傑作が完成したのだと思う。

 

 

最後までスゲー真面目に書いてしまったが、

何しろね、チャチャを入れるところもないぐらい圧倒的にスゴい。

 

今年最終盤にきての今年最高傑作との出逢い。

 

余は満足である。

 

 

東劇では12月14日から21日まで。

期限は限られている。

興味のある方、ない方も、ぜひお見逃しなく!