高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

錬金術

ものすごーく久しぶりに、病院にいった。

 

たぶん、歯医者さん以外では10年ぶりぐらいではないだろうか。

 

 

先日からの体調不良がなかなか完治しないのだ。

 

 

病院は、待ち時間がキライである。

以前に病院にいったとき、私は3時間も待たされた挙げ句、「風邪ですね」で終わった。診察に3分も掛からなかった。

10年も前のハナシなのにいまだに覚えている。というか、根に持っている。

 

以来、病院にはいかないようにしていた。

 

 

だから、今回はものすごーく久しぶりの来院だ。

よほどのことだ。イチダイジと言ってもいい。

 

とはいえ、症状がやたらとヒドイというわけでもなかった。ただ、熱からくるのであろう関節の痛みがひかず、どうしたもんだろうねと。なんとかしてくれと。そんな感じだ。

 

 

なので、やはり私が求めたのはスピード。

 

 

10年前にいった病院は、常連さんと癒着しまくりな感じがした。待合室のソファでぐったりと突っ伏す私は、受付の女性と顔見知りとおぼしき親しげな挨拶を交わす患者たちに、いったいどれだけ追い越されたか知れぬ。

 

しかしそんな病院とはちがい、

今日はクリーンな印象。

 

オープン前にご老人たちが大挙して押し寄せている、という感じでもなかった。

期待と不安が入り雑じるなか、イザ。

 

9時より診察開始とのことなので、10分前に到着。時間とともに受付。保険証確認。問診票記入。うん、スムーズだ。熱をはかって受付に。で、9時15分。

 

呼ばれた。

 

 

は、はえぇーっ!

 

 

なにこれ、スゲー。

 

これは10年という歳月の隔世によるものか、それとも単に病院がちがうとここまでちがうということなのか。

 

いやはや驚いた。診察もスムーズで、すぐに終わったもののザツに扱われたという印象はない。最後の「お大事になさってくださいね」、の言葉は心にシミた。

 

この病院、好きになっちまうかも…。

 

 

それはそうと、帰りに立ち寄った薬局が斬新だった。

なんというか、ライブキッチンっぽい。

薬ができるまで座って待っているのだが、その間、薬剤師さんたちが4人ほどでテーブルを囲み、何やらわちゃわちゃやっているのが見える。楽しい。

 

 

薬剤師さんは、私にとっては錬金術師と同じ。ほぼ魔術師だ。

憧れるではないか。あれほどミステリアスな職業が、ほかにこの世の中にあるだろうか? もしもクスリの素となるものがコトバで出来ていたのなら、私は間違いなく薬剤師を目指しただろう。それぐらい、ステキな仕事だと思っている。

そんな彼らが儀式のようにテーブルを取り囲んでいたのだから、これはよほどのモノが完成したにちがいない。

 

錬金術の秘密: 再現実験と歴史学から解きあかされる「高貴なる技」 (bibliotheca hermetica叢書)

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うむ、今日これから呑む薬が楽しみだ。

 

ワタシ、明日には不老不死とかに、なっているかもしれない。

 

 

アルケミスト Anniversary Edition

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