高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

アプローズ

先日、薔薇の写真を撮りに行って、ふと思い出した。

 

青いバラは今、どうなっているのだろうか?

 

 

青いバラ

かつて絶対に作り得ないモノ、あり得ないモノとして、不可能と思われる事象に対する代名詞のように扱われていたそのバラも、2004年、サントリーの開発チームによって花開いた。

 

 

http://www.suntorybluerose.com/sp/story/legend.html

 

その名はアプローズ。青、というよりは紫に近く、当時も何だかんだで物議を醸していたようにも思うが、それでもこんなマイナーなネタになると妙にミーハーになる私は、わりと早い段階で購入した。

 

1輪で10000円!

 

いやいや、あり得ないだろう。それこそが青いバラの伝説ではないか。とか思いながらも買ってしまう私。お金、貯められない人間です、はい。

 

豪華なBOXに恭しく横たえられた1輪のアプローズは、たしかに気品ある花だった。しかしまぁ、その美しさを誰と共有することもなく、数日間それを眺めて終わった。いま考えても勿体ないことをしたものだと思う。

 

 

 

で、そんな青いバラ、最近まったく聞かないなぁ、と思いちょっと検索してみた。

 

12本の花束で36000円!

 

 

1輪の単価は3000円前後と、どうやら随分と価額は下がったみたい。結婚式場とかが扱っていたりもするみたいね。たしかにアプローズには「喝采」や「夢かなう」の意味があるらしく、なんとなくそこに価値を見いだすひとがいることも分からなくもない。

 

しかし、ネットでいろいろ見ていると、

 

50本の花束で112000円!

 

なんてモノもあった。

 

青いバラ50本…どうすんだ、それ?

 

 

部屋に飾ったとする。もはや花びらが落ちていくたびに、お札がヒラヒラと飛んでいくイメージが重なってコワイ。

 

サントリーにお願いしたい。青いバラという不可能を可能にしたのだ。いっそ、枯れないバラも開発してもらいたい。

 

枯れない青いバラ…それなら、もしかしたらまた購入しようと思うかもしれない。宝くじに当たったら、ではあるが。

 

 

青いバラ (岩波現代文庫)

青いバラ (岩波現代文庫)

 

 

そういえば、そのサントリーの開発チームに取材してアプローズ誕生にまつわるドキュメントを書き上げた最相葉月さんのノンフィクション作品は面白かったな、なんてことも思い出したので一応ご紹介しておく。