高北謙一郎の「物語の種」

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ディネ・アン・ブラン

ディネ・アン・ブラン…白服パーティ。

 

もともとはフランス発祥。

2015年だったかに日本に初上陸して以降、まったく耳にすることもなかったこのイベントを、ふいに思い出した。

 

昨日の投稿で、派手派手な衣服に身を包んだサプールの紳士をご紹介したのがきっかけなのは明らかだが、こちらは彼らとは正反対の、真っ白。

 

イベント参加者は徹底的に白のドレスコードが義務づけられる。服装だけではない。持参するモノすべてだ。

 

開催場所は都内近郊。詳細はその日になってみないと分からない。いわゆるシークレットパーティ。

 

Dîner en Blanc - Tokyo

 

最初に知ってから、興味津々。

パーティそのものは別にどうでもいい。というか私はパーティとかビミョーに苦手なタイプの人間なんで、それ自体はできれば回避したいぐらいだ。

それでも、その非日常的なビジュアルは想い描いただけでもインパクト大。

 

見てみたい。参加したい。

白飛びしちゃいそうだけど撮影もしたい。

 

だが、

 

ひとつ、大きな問題に直面した。

 

 

ワタシ、シャツ以外の白い服、

1着も持っていない…。

 

 

いやね、何しろ似合わないのだ、白服が。

 

基本的に爽やかな色味はすべて似合わないが、白はその究極みたいなモノで、まったくもって似合わない。

 

となると、白服パーティに参加するためには、まず爽やかなニンゲンにならなければ始まらない。

 

以来、爽やかなニンゲンを目標に生きてきたつもりだが、その成果はカンバシクない。すでに3年が経っているというのに。

 

 

これはね、持って生まれたモノのちがい、ではないだろうか。

 

春のやわらかさ、夏の快活さ、秋の聡明さ…季節でいえば、私はまちがいなく冬。

木枯らし吹き荒れる曇天のもと、うつむき加減に歩くニンゲンだ。

 

爽やかな白が、似合うはずがない。

 

 

 

 

おそらく目指すモノがちがう。

 

目指すなら、しんしんと降り積もる雪の白を目指すべきなのだ。

あるいは、吹き荒れる吹雪の白を。

 

…と、いま気づいた。

 

 

そうか、それならイケるかもしれない。

それなら、私にも似合うかもしれない。

 

が…、

 

そんな服、あるの?

 

 

言ってみれば寒々しい感じの服、

寂しさとわびしさを湛えた服だ。

孤独の白。とでも言うべき服。

 

そんなモノ、見たことがない。

 

 

今度お店に行ったら探してみよう。スタッフの方に訊いてみるのもアリだろう。もしかすると、この世には想いもよらぬコンセプトで作られた服が存在するかもしれないから。

 

 

ところで、そもそもディネ・アン・ブランはまだ開催されているのだろうか? 本国フランスでは30周年の記念として盛大に催されたらしいが、日本は…

 

シークレットなだけに、まったく聞かなくなってしまった。

 

先ほど調べてみた。

 

ナント、まだやっていた。

今年はすでに終わってしまったようだが、毎年10月頃、密やかに開催されているらしい。

 

 

頑張ってもらいたいものだ。

 

いつか私が、私に似合う白服を手にいれるその日まで。